整体院プラスの健康コラム

【枚方市樟葉】整体院プラスの健康コラム

テレビや雑誌では紹介されない、整体師ならではの健康情報を、大阪府枚方市の整体院プラスからお届けします。

肩こりの人は枕なしがいい、は本当か

先日、テレビを見ていると、肩こりの人は、枕なしで寝るのがいい、と言っている先生がいました。
テレビや雑誌などで、医者や整体師などが出てきて、健康法について話しているのを見るたびにいつも思うことがあります。
今日はちょっとこのことについて、私の考えをお話ししようかと思います。

枕なしで寝ると肩こりにいいのか

その先生いわく、高い枕で寝ると、首がストレートネックになるので、よくない、とのことでした。
だから枕なしで寝ると、肩こりに効果がある、と。
うーん。
枕が高いせいで、ストレートネックになるというよりは、ストレートネックの人は、首が前に出ているせいで、低い枕だとしんどいので、高い枕を使うんじゃないでしょうか。
理屈の順序が逆だと思います。
この時点でおや、と思ったのですが、この先生の理屈で検証してみたいと思います。
あくまで、私の考えです。
これが全て正しいわけではありません。

まずこの先生が言うには、壁に背中をくっつけた状態で、後頭部もぴったり壁につくのが正しい姿勢だそうです。
だから、その壁を床に置き換えた状態、つまり、仰向けに寝たときも、枕を使わずに床に後頭部をつけた状態が正しい状態だそうです。
しかし、私から言わせると、壁と後頭部の間にほんの少しの空間ができるぐらいでも問題ないと思います。
ですから、正しい姿勢の人でも、枕なしで仰向けに寝ると、首が山なりになって、少しあごが上がります。
この姿勢が本当に楽なのかどうか、ということです。
さらに、猫背でストレートネックになっている人は、首がよけいに前に出ている分、首の山なりがきつくなり、さらにあごが上がります。
肩こりの人は、すぐに首がしんどくなってくるでしょう。
では、ストレートネックの人が、枕なしでも楽に寝れるようになるためには、どうしたらいいか。
前に出ている首を床の方に持ってくるということですが、これは、例えば、お椀のような半円形を想像してみてください。
お椀を傾けて片方を地面に近づけると、もう片方は上へと上がります。
これと同じように、ストレートネックを床に近づけると、背中がぐっと上に上がり、腰が反り上がります。
つまり、ストレートネックを床方向につけようと思っても、猫背がまっすぐになるわけではなく、ただ単に腰が反るだけです。
こんな状態になったところで、猫背やストレートネックが直っているわけではないですから、肩こりの改善には意味がありません。

では、枕なしで寝ることは、肩こりにまったく意味がないのかというと、そんなことはありません。
人によっては、背中が伸びて、猫背の解消に役立つ人もいるでしょうし、首が長い人だったら多少首の山なりがきつくても大丈夫な場合もあります。
ここがとても重要なポイントです。

万能な健康法はない

テレビに出てくる整体師は、これさえすればOKというふうに決めつけすぎだと思います。
まあ、テレビ側としても、その方が面白いのでしょうが。
しかも、出てくる人によって、主張が真反対だったりすることもよくあります。
これでは一体何が本当なのかわかりません。
人の体はそれこそ千差万別です。
人によって、合う合わないがあります。
それを、これさえやっていればすべてOK、のような言い方は少し乱暴だと思います。
私たちのように、いろいろ知っている専門家であれば、ああ、そういうやり方もあるのか、ぐらいに捉えますが、何も知らない人にとってみれば、それが全てだと思ってしまうわけで、そういう人たちを振り回しているだけに思えて仕方ありません。

ダイエットなどもそうですよね。
じゃまくさいことは抜きにして、これさえやればOK!的なものが多いですよね。
そして、新しいダイエット法が出るたびに、それに振り回される。。

ちなみに、私の考えでは、枕は基本的に低めの物を使うのがいいと思います。
とはいっても、そんなことにこだわらず、人それぞれ、一番楽な枕を選んでもらうのが一番だと思います。
低い枕が合うならそれでいいですし、高い枕のほうがいいのであれば、それを選んでもらえばいいと思います。
無理をすれば逆に体が痛くなってしまうこともよくありますし、そもそも寝心地が悪くなってしまっては元も子もありませんからね。
こういうところでは、なるべく無理をしないほうがいいと思います。
それよりも整体や体操などで猫背を直し、それに合わせて無理のない高さの枕を使っていけば、自然と低めの枕がちょうどよくなってくると思います。

そうそう、そういえば、別の番組で、週1回たった5秒の体操で腰痛を治す!といったものがありました。
出ていたのは、とても有名(らしい)整形外科の先生で、さんざん引っ張ったあげくに出てきたのが、腰を反らすだけの体操でした。
そりゃ、これで腰痛がよくなる人もいるでしょう。
でも、腰痛にも原因はいろいろあります。
そんなこと整形外科の先生なら知っているはずなのに、これさえやればOK的な、いかにもテレビ向けなやり方はちょっと残念でした。
とはいっても、当院のお客様で、病院に行っても全然腰痛が治らなかった、という方がよく来られますが、その方が病院で教えてもらった体操を聞くと、まったくその人の体のゆがみとは関係ない体操だったりします。
ですので、整形外科の先生にとっては、体のゆがみ方であるとか、それを改善するにはどの体操がいいのか、などの考え方が、整体師ほど厳密に考えていないのかな、とも思います。

本屋を覗いてみると、「これで腰痛は99%治る!」とか、「たったこれだけで痩せることができる!」といったワンフレーズのものばかりです。
人間はシンプルなものを好みますから、そういう主張をしたほうが売れるのでしょうね。
テレビとしても、そういった流れなんでしょうが、私としては、どうも腑に落ちない感じがあったので、今回はいろいろ書いてみました。
私自身、自営業者として、売らなければいけないという気持ちも当然理解できますので、この腑に落ちないもやもやしたものは、私の中にある葛藤のようなものなのかも知れません。